乙女座新月2026はいつ?9/11の意味と過ごし方——祝祭のあとを生きる44日間|スピラボ

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水瓶座満月から乙女座新月へ

8月の後半。あの騒がしかった空が、うそのように静かです。7/29の満月で殻が割れ、8/8に門が開き、8/13の未明には、日本からは見えない皆既日食が、獅子座の空を渡っていきました。——そして、いま。祝祭の看板が下ろされた朝の広場のような、この静けさの中で、どこか気が抜けたようになっているとしたら。それは、あなたが怠けているからではありません。むしろ、この夏のあいだに受け取ったものが、それだけ大きかった証しなのだと、わたしは観ています。

この記事は、その「祝祭のあと」を歩くためのガイドです。開門から日食までの歩き方をお伝えした前の記事は、「9月からの物語は、また稿を改めて」という約束で結ばれていました。この記事が、その稿です。範囲は、7/29の水瓶座満月から、9/11の乙女座新月まで。夏の祝祭がくれたものを、秋の入口で自分のものにしていく44日間——その後半を、日単位で歩いていきます。

はじめての方へ。わたしは、堂脇隆資(どうわき・たかし)。ディバインアルケミストとして、12年以上、のべ5万人を超える方(当社調べ)に、遠隔でエネルギーワークをお届けしてきました。天体の動きは、何かを言い当てる占いではなく、自分がいまどんな季節の中にいるのかを知り、その季節を自分の足で歩くための地図だと、わたしは考えています。前の記事を読んでいなくても、大丈夫です。この記事だけで、ここから9/11までの歩き方が、ひと通り分かるように書いています。

この44日間を貫くイメージは、ひとつです。泳ぎ。獅子の季節が燃やした祝祭の火は、消えてなくなるのではありません。乙女座の季節の中で、日々の呼吸に、腕のひとかきに——つまり、あなたの泳ぎ方に、姿を変えていきます。祝祭は、消えるのではなく、泳ぎ方に変わる。この一文だけ胸のポケットに入れて、ここから先を、読み進めてみてください。

まず、ここから9/11までの空の骨格を、一枚にまとめておきます。日時はすべて日本標準時(JST)です。細部はこの先の章でひとつずつ歩くので、いまは全体の流れだけを、ながめてみてください。

日時(JST) 空の出来事 あなたの側の物語
7/29 23:36 水瓶座満月(水瓶座6°30’) 殻が、内側から割れた
8/8 ライオンズゲート開門(慣習日) 門をくぐった
8/13 02:46 獅子座皆既日食(獅子座20°02’) 古い太陽を、見送った
8/23 11:19 太陽 乙女座入り 熱狂から、整えへ
8/28 13:19 魚座満月・部分月食(魚座4°54’) 手放しの仕上げと、再値付け
8/31 23:45 金星プレシャドー入り(天秤座22°52’) 静かな前触れ
9/1 07:17 木星・土星トライン 二つの火の、握手
9/10 17:06 金星 蠍座入り 潜る準備
9/11 03:27 天王星 逆行開始(双子座5°41’) 新月の朝、変化の星が立ち止まる
9/11 12:27 乙女座新月(乙女座18°25’) 無意識の海へ、自分の泳ぎで

祝祭は終わった。ここからが本番——忘れ物を、乙女座が拾いにくる

祝祭の期間に、あなたは何かを受け取っています。門の前で置いた問いへの、ふとした答え。日食の前後に浮かんだ、小さな決意。理由のない高揚の中で見えた、「こう生きたい」の輪郭。——そういうものは、日常が戻ってくると、驚くほどあっさり、棚の奥へしまい込まれていきます。忙しさが悪いのではありません。祝祭の受け取りものは、祝祭の空気の中でしか置き場所がない形をしているからです。

乙女座の季節の仕事は、その忘れ物を拾いにいくことです。高揚を、続けられる形に削り出す。決意を、朝の習慣に翻訳する。輪郭だけ見えた「こう生きたい」を、今日の段取りに落とす。派手さは、ありません。けれど、祝祭が思い出で終わるか、暮らしの一部に変わるか——その分かれ道は、たいてい、この地味な44日間のほうにあります。

ここからの歩みは、三つの局面でできています。まず、見送りと仕上げ。8/28の月食までに、日食の手放しが仕上がっていきます。つぎに、静かな前触れ。8月の末から9月のはじめ、空は減速と支え合いの配置を並べて、泳ぎだしの水面を整えます。そして、泳ぎだし。9/11の乙女座新月で、あなたは自分の泳ぎで、次の季節に入っていきます。

もし、「受け取ったものなんて、何も思い当たらない」と感じていても、大丈夫です。祝祭の受け取りものは、その場で正体を見せるとはかぎりません。数週間あとのふとした場面で、「そういえば、あの頃から何かが変わった」という形で見つかることのほうが、むしろ多いのです。この44日間の手入れは、受け取りものの中身が分かってから始めるものではありません。手入れをしているうちに、中身のほうが、あとから姿を見せてくれます。

この記事は、読んだ日から9/11まで、手元に置いて使う設計にしています。一度とおして読んだら、あとは節目の日——8/28の昼、9月最初の朝、9/11の夜——に、その章とジャーナリングの問いへ、必要な分だけ戻ってきてください。

殻・門・見えない日食——ここまでの物語

すこしだけ、来た道を振り返っておきます。はじめての方は、ここが物語の前提になります。

7/29の夜、水瓶座で満月が満ちました。サビアンシンボルは水瓶座7度「子供が卵から生まれ出る」。ためこんだ内圧で、古い殻が内側から割れる——7月の後半は、その孵化の15日間でした(この物語は嵐と解放の15日間のガイドに書いています)。

殻を出た存在が向かった先が、8/8のライオンズゲートの開門と、8/13の未明、獅子座の皆既日食でした。日本からは見えないまま、古い太陽——長く使ってきた古い自己像——を見送る日食。門の期間の過ごし方、見えない日食の受け取り方は、ライオンズゲートと日食の完全ガイドが一冊の地図になっています。深掘りは、そちらにゆずります。

そのガイドの終わりに、わたしはこう書きました。日食で手渡したものの答え合わせを、急がないでください。新しい設計図を本格的に描くのは、9月の空の下からで、十分に間に合います——と。この記事は、その「9月の空の下」まであなたを渡していく、橋です。

そして、この振り返りを読んで「わたしは、何もしていない」と感じた方へ。門をくぐった実感も、日食の体感も、この先を歩くための条件ではありません。ここからの44日間の物語は、いまこの地点から合流する人のためにも、同じ幅で開いています。

8/23、太陽が乙女座へ——熱狂から、整えへ

8/23 11:19 JST、太陽が乙女座へ。ここから先の日々を照らすのは、乙女座の太陽です。

獅子座の季節が「わたしはどう輝くか」の季節だったとすれば、乙女座の季節は「その輝きを、どう暮らしに実装するか」の季節です。乙女座がつかさどるのは、整えること。手入れ、段取り、身体、日々の営み。祝祭の対義語のように聞こえますが、そうではありません。乙女座は、祝祭の受け取りものを長持ちする形に加工してくれる、職人の季節です。

それは、泳ぎを覚えることに似ています。水に入った最初の日、体は浮き方を知りません。息の継ぎ方、力の抜き方、腕のかき方。ひとつずつ整えていくうちに、いつのまにか、考えなくても前に進めるようになる。乙女座の季節が育てるのは、この「考えなくても進める」です。感動は薄れます。決意は揺らぎます。けれど、体で覚えた動きは、感動や決意が眠っている日にも、あなたを運んでくれます。

だから、この時期の実践は、大きな決意ではなく、小さな手入れです。睡眠の時間を、すこし整える。机の上を、ひとつ片づける。祝祭の間に書いたメモを、一度だけ読み返す。それだけで、乙女座の太陽とは、十分に手をつないでいます。

ひとつだけ、この季節に入る前にお伝えしておきたいことがあります。整えの季節には、影があります。整えるつもりが、いつのまにか、自分を採点しはじめてしまうのです。片づかなかった日を数える。続かなかった自分に、ため息をつく。細部がよく見える乙女座の目は、他人よりも先に、たいてい自分にいちばん厳しく向きます。だから、先に線を引いておきます。整えは、採点ではありません。手入れの回数を数えて減点する係は、この44日間には、いません。できた日に、できた分だけ。それが、乙女座の太陽との、いちばん健やかな付き合い方です。小ささを、あなどらないでください。泳ぎのフォームは、いつでも、ひとかきの単位で直っていくものです。そして、その厳しい目が、自分でも扱いかねるほど強く出るときには、目そのものを見にいく道もあります。手順は、シャドウワークの記事にまとめてあります。

8/28、魚座の満月は昼の空で欠ける——教会のバザー

8/28 13:19 JST、魚座4°54’で満月が満ちます。そしてこの満月は、部分月食です。8/13の日食で開いた食の季節——エクリプスシーズンが、この月食で閉じます。

この月食も、日本からは見えません。13:19 JSTは、真っ昼間。月は、地平線の下にいます。ただ、今回の「見えない」は、日食のときとは顔つきが違います。日食が起きたのは02:46 JST——多くの人が眠っている、深い夜の転換でした。今度の月食は、その反対側です。会議の途中かもしれない。洗い物の途中かもしれない。昼の13:19 JST、あなたの生活のまんなかの時間に、空は手放しの仕上げをしていきます。劇的な夜ですらない。けれど、だからこそだと、わたしは観ています。手放しの仕上げというものは、非日常の儀式の中ではなく、暮らしのただ中でこそ、静かに完了していくものだからです。

満月が「満ちたものを手放す」時間だとすれば、月食は、その手放しがいちばん深くまで届く形です。日食が「始まりの種」を蒔く強い新月だったように、月食は「終わりの仕上げ」を引き受ける強い満月。8/13に席を立った古いものたちの残り香を、この昼の食が、まとめて送り出してくれます。満月の夜そのものに、心と体で起きやすいこと、そして基本の過ごし方は、満月の過ごし方の記事にまとめてあります。

この月食の月のサビアンシンボルは、魚座5度「教会のバザー」。教会の中庭に、ありふれた品物が並ぶ絵です。古着や焼き菓子が、聖なる文脈の中に置かれることで、新しい価値を持ちはじめる。——日食からの2週間にぴったりの絵だと、わたしは観ています。あなたが日食で手放したもの。古い自己像、古い役割、「どうせ」の口癖。あれらは、消えてなくなったのではありません。バザーの品物のように、次の文脈を待っています。手放した経験そのものが、値札を付け替えられて、これからのあなたの別の場面で使える道具に変わっていきます。

ひとつだけ、そっと確かめておきたいことがあります。日食で手放したはずのものを、「あのとき手放した」という記念品に作り替えて、また棚に飾り直していないか——ということです。手放しの記憶を大切にするのは、自然なことです。けれど、記念品は増えるほど、棚は元の重さに戻っていきます。もし飾り直しに気づいても、責めなくて大丈夫です。気づけたその品物こそ、8/28のバザーに出す、最初の一品です。手放すという行為が、なぜこれほど行きつ戻りつするのか——その仕組みは、手放すことについての記事に書いています。

そして、バザーで値札を付け替えるのは、市場ではなく、出品するあなたです。手放したあの経験に、どんな意味をつけて、この先のどの場面で使うか。それを決める権利は、手放したあとも、最後まであなたの側に残っています。教会のバザーという絵のやさしさは、ここにあります。差し出したものが、奪われるのでも消えるのでもなく、あなたの決めた新しい値札を付けて、次の役目に就いていくのです。

月食をはさむ数日は、体と心に、通過のサインが出やすい時期でもあります。眠気が深くなる。懐かしい記憶や、終わったはずの感情が、ふっと水面に上がってくる。理由もなく、涙腺がゆるむ。——どれも、後戻りの印ではなく、仕上げの印として観てください。バザーの前日、家中の棚から品物が出されて廊下に並ぶように、手放しの仕上げの前には、いろいろなものが一度、目に見える場所を通っていきます。こうした通過のサインの見分け方は、好転反応の記事にまとめてあります。(体の不調が続くときは、抱え込まずに休息を。必要に応じて、医療機関も大切にしてください。星の話は、体を診る話の代わりにはなりません。)

月食の前後にできる実践は、ひとつで足ります。ノートに、二列だけ書いてみてください。左に、日食のころに手放したと感じているもの。右に、そのうち、こっそり戻ってきているもの。右の列に何かが書けたら、それが月食に手渡す品物です。左右どちらも空欄なら、それも立派な答えです。手放しは、リストの長さを競うものではありません。書き終えたら、ノートは閉じてかまいません。バザーの品出しと同じで、いったん並べたものは、当日の流れが引き受けてくれます。書く手が止まってしまうときの型は、ジャーナリングの記事にゆずります。

8/31〜9/10、静かな前触れ——金星の減速と、二つの火の握手

月食が過ぎると、空は一度、静かになります。けれどこの静けさの中に、秋への伏線が三つ、並んでいきます。

ひとつめ。8/31 23:45 JST、金星が天秤座22°52’を通過します。それだけ聞くと、何も起こらないただの通過点です。けれど、この一点は覚えておく価値があります。秋、金星はこの場所へ、もう一度戻ってくることになるからです。天文学ではこの区間入りをプレシャドーと呼びます。のちに立ち止まる星が、減速を始める——助走の区間です。いまはまだ、何もしなくてかまいません。詳しくは、この記事の最後で触れます。

ふたつめ。9/1 07:17 JST、木星と土星が、獅子座13°41’と牡羊座13°41’で、トライン——支え合いの角度を結びます。広げる力(木星)と、固める力(土星)。祝祭の火(獅子座)と、挑戦の火(牡羊座)。性格の違うこの二つの力が、この朝、握手をします。広げたものを、固めていい。始めたことを、続けていい。整えの季節に入ったあなたの背中を、後ろからそっと支える配置です。新しく何かをする必要はありません。いま手の中にあるものを続けることが、そのままこの配置の受け取り方になります。支えというものは、目立ちません。座り心地のいい日の背もたれが、目立たないのと同じです。なお、木星が獅子座に滞在していること自体が、この夏の背景にありました。その意味は、木星の獅子座入りのガイドにまとめてあります。

みっつめ。9/10 17:06 JST、金星が蠍座へ入ります。人あたりの良い調和の装いから、深く結びつく水の装いへ。翌日に控えた新月の、前夜の衣替えです。

この前触れの10日間に、特別な実践は要りません。強いて言うなら、8月のあいだに始めた小さな手入れを、やめないでいること。三日空いたら、四日目に、また戻ること。空白は、失敗ではありません。息継ぎです。泳ぎにおいて、息継ぎを失敗と呼ぶ人は、いません。続けることそのものが重くなってきたと感じるときは、いったん手を止めてかまいません。その重さの正体については、スピリチュアル疲れの記事に書いています。

9/11、乙女座新月——水泳競争。無意識の海へ、自分の泳ぎで

そして、44日間の到達点です。9/11 12:27 JST、乙女座18°25’で、新月が起こります。

新月は、種を蒔く時間です。この乙女座新月に蒔かれるのは、「習慣」の種だと、わたしは観ています。祝祭で受け取ったものを、日常の動きとして体に覚えさせていく——その最初のひとかきが、この日に置かれます。

この新月のサビアンシンボルは、繰り上げて乙女座19度、「水泳競争」です。競争という言葉に、身構えなくて大丈夫です。この絵の競争は、隣のコースの誰かと順位を争う話ではありません。水に入るのをためらっていた自分、浮けるかどうか不安だった自分——きのうまでの自分との、静かな競争です。そして、この絵でいちばん大切なのは、泳者が「自分の泳ぎで」進んでいることです。誰かに引かれて進むのでも、流れに運ばれるのでもなく、自分の腕で水をかき、自分のリズムで息を継ぐ。魚座の月食が仕上げてくれた手放しの、その先に広がる水域——まだ言葉になっていない、あなたの内側の海へ、いよいよ自分の泳ぎで入っていきます。

8/13の日食のサビアンを、覚えているでしょうか。獅子座21度「酔った鶏がもがきながら飛ぼうとする」。うまくできるかどうかではなく、そうしたいかどうかで、初めての試みに体を投げ出す絵でした。乙女座19度は、その続きにある絵です。もがきが、フォームに変わる。勢いだけだった羽ばたきが、呼吸を持った泳ぎになる。祝祭の季節に「試みた」ことを、乙女座の季節は「身につく」ところまで連れていきます。祝祭は、消えるのではなく、泳ぎ方に変わる。体で覚えたことは、もう、あなたから失われません。

もうひとつ、この絵が教えてくれることがあります。泳ぎは、陸の上では覚えられない、ということです。フォームの解説を何冊読んでも、水に入らないかぎり、体は泳ぎを知りません。乙女座新月からの季節を「実践の季節」と呼べるのは、このためです。考え終えてから泳ぐのではなく、泳ぎながら、整えていく。うまくいかなかった一かきも、失敗ではなく、水を知るための情報になります。だから、始める前に完璧な計画は要りません。要るのは、今日の一かきだけです。

この新月には、もうひとつ、今年ならではの刻印があります。同じ日の未明、03:27 JST——双子座5°41’で、天王星が逆行を始めるのです。新月の朝に、変化の星が立ち止まる。逆行の始まりの星は、空の上で止まって見えます。けれど、変化が止まるのではありません。向きを変えるために、いったん止まる。順番の問題です。この春から夏にかけて動いてきた変化たちが、置き去りにしたものはないかと、来た道を確かめに戻っていく——そういう数ヶ月が、ここから始まります。加速ではなく、静止と、確かめ直し。乙女座新月の「整えて、泳ぎだす」と、みごとに響き合う朝です。

当日の歩き方を、朝・昼・夜で置いておきます。朝は、起きぬけに水を一杯。未明に立ち止まった変化の星を思いながら、今日は整える日だと、自分にひとこと伝えます。昼、12:27 JSTの前後に手が空いていたら、深呼吸をひとつ。空いていなければ、それでかまいません。新月は、あなたが会議中でも、ちゃんと切り替わってくれます。夜は、ノートを開いて、下の問いへ。——どれも、数分で終わる小ささです。この小ささこそ、乙女座新月の作法だと、わたしは観ています。

そして、開けない夜なら、開けないままでかまいません。泳がないと決める日が、あっていい。それも、自分の泳ぎのうちです。この新月で何かを感じる必要も、信じる必要もありません。あなたが実際に体感したことだけが、あなたにとっての事実です。

* 祝祭のあとのジャーナリング

静かな時間に、三つの問いです。きれいに書く必要はありません。9/11の夜でも、その前後の落ち着いた日でも。

・獅子の季節があなたに手渡したもののうち、9月の日常へ連れていきたいものは何だろう。ひとつ選ぶなら、どれだろう。
・それを日常に降ろすなら——毎日のどの時間に、どんな小さな動きとして置けるだろう。朝の3分、寝る前の一行。小ささが、絵空事にしない秘訣です。
・わたしの「自分の泳ぎ方」とは、どんな泳ぎ方だろう。何を守れば、わたしの呼吸は乱れないだろう。

9/11を過ぎてからこの記事を読んでいる方へ。遅れでは、ありません。泳ぎはじめる岸は、いつでも、あなたの足元にあります。

次に来るもの——10/3、金星が蠍座で立ち止まる

9/11の新月で泳ぎはじめた先、秋の入口に、次の節目が待っています。10/3 16:15 JST、蠍座8°29’で、金星が逆行を始めます。8月の末に金星が通過したあの一点へ、来た道を引き返していく——愛と価値の星が深い水の底で立ち止まる、潜る季節の始まりです。

いまから先回りして、身構える必要はありません。この44日間は、受け取ったものを泳ぎ方に変える時間。秋は、その泳ぎで、より深いところへ潜っていく時間です。潜り方の地図は、季節が来たら、あらためてお渡しします。年間の大きな流れの中でこの秋がどこに位置するのかは、下半期のガイドをあわせてご覧ください。

44日間を、一枚の地図に

ここまでの道のりを、最後にもう一度、一枚にまとめておきます。祝祭で受け取り、月食で仕上げ、前触れの水面をわたって、新月で泳ぎだす。細部は忘れて大丈夫です。この流れの形だけ、胸のどこかに残しておいてください。

期間 局面 あなたの側の物語
7/29〜8/13 祝祭(殻・門・見えない日食) 受け取った
8/23〜 太陽が乙女座へ 整えはじめる
8/28 魚座満月・部分月食(昼の食) 手放しの仕上げと、再値付け
8/31〜9/10 静かな前触れ 金星の減速・二つの火の握手
9/11 乙女座新月×天王星の静止 無意識の海へ、自分の泳ぎで

9月の半ば、44日間の向こう側にいるあなたの一日を、すこしだけ想像しておきます。朝、起きぬけの一杯の水が、もう習慣になっている。祝祭の高揚はうまく思い出せないのに、あのとき決めた小さな動きだけが、体に残って続いている。特別なことは、何も起きていない。けれど、去年の同じ季節より、呼吸がすこし深い。——変化の現れ方も速さも、人それぞれです。ただ、この一日を想像して、胸のどこかが静かにうなずいたなら、泳ぎの練習は、もう始まっています。

祝祭を、すこしずつ忘れていくことを、恐れなくて大丈夫です。言葉で覚えていたことは、薄れていきます。けれど、体で覚えたことは、忘れたころに、ちゃんと手足に残っています。それが、泳ぎ方というものです。火は、消えなかった。泳ぎ方に変わった。——9/11の先で、そう振り返る日のために、この44日間の小さな手入れは、あります。

号砲は、鳴らない

ここまで、祝祭のあとの44日間を、一枚の地図としてたどってきました。最後に、ひとつだけ添えておきます。この地図には、スタートの号砲がありません。誰かが笛を吹いて、いっせいに水へ飛び込む——そういう泳ぎ方を、乙女座の季節は求めていません。いつ水に入るかを決めるのは、はじめから終わりまで、あなたです。

この地図だけで、9/11の新月まで歩ききることができます。ここに書いた小さな手入れは、どれも、誰の手も借りずに、今日の暮らしの中で始められるものばかりです。祝祭は、消えるのではなく、泳ぎ方に変わる。その変換は、特別な場所ではなく、あなたの日常の中で、あなた自身の手で進んでいきます。

そして、ここまで読んで、何も始める気になれなかったとしても、急ぐことはありません。入る前に水面をながめていた時間は、無駄になりません。水の色を覚え、風の向きを知り、呼吸を落ち着けていた時間です。泳ぎだしたあとで、その時間の意味が分かる日が来ます。

読んだ日が、あなたの季節の始まりだとはかぎりません。始まりを決めるのは、暦ではなく、あなたの体です。ここに書いたことのうち、ひとつでも、いつかの朝に思い出されたなら、この地図は役目を果たしています。水は、逃げません。

よくあるご質問

Q. 乙女座新月は、いつですか?

9/11 12:27 JST、乙女座18°25’で起こります。サビアンシンボルは乙女座19度「水泳競争」。同じ日の未明03:27 JSTには、双子座で天王星が逆行を始めます。新月の朝に変化の星が立ち止まる——「整えて、泳ぎだす」という乙女座新月の質と響き合う、特別な配置の新月だと、わたしは観ています。

Q. 8/28の魚座満月・月食は、日本から見えますか?

見えません。食の時間帯(13:19 JST前後)は日本では昼間で、月が地平線の下にあるためです。観測はできませんが、この月食は8/13の日食で開いた食の季節を閉じる「手放しの仕上げ」の節目です。本記事では、昼の生活時間のまんなかで起こるこの食を、内側でどう受け取るかをお伝えしています。

Q. 天王星の逆行開始(9/11)は、こわいものですか?

いいえ、こわいものではありません。逆行の始まりに、星は空の上でいったん止まって見えます。止まるのは、向きを変えるためです。この春から夏に動いてきた変化が、置き去りにしたものはないかと来た道を確かめ直す期間だと、わたしは観ています。何かが壊れる予告ではなく、変化の点検期間として、落ち着いて過ごせる時間です。

Q. 日食のときに手放したものを、また拾ってしまいました。やり直しですか?

やり直しでは、ありません。手放しは一度きりの試験ではなく、行き来しながら進んでいくものです。拾ってしまった自分に気づけていること自体が、すでに歩みの中にあります。そして8/28の魚座満月・部分月食が、「手放しの仕上げ」の機会としてもう一度めぐってきます。気づいたものを、その昼の食にそっと手渡してみてください。

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