私たちが感じている感覚には、1次感覚と2次以降の複雑化した感覚があります。
ここで言う1次感覚とは、クリアな状態で感じる感覚の事。
そして、2次以降の感覚とは、いくつものフィルターがかけられた上て感じる感覚の事を指しています。
分かりやすいように、鎮痛剤を例にして解説すると、
健康な状態を前提として、どこかに痛みを感じたから鎮痛剤を服用する、この痛みを感じた感覚を1次感覚とします。
鎮痛剤は、痛みを解消させるものではなく、痛みをブロックするもの、言い方を変えると、感覚を麻痺させて痛みを感じないようにするものですよね。
鎮痛剤を服用した状態で、また痛みを感じたから鎮痛剤を服用する、ここで感じる痛みは、感覚を麻痺させた状態から感じる痛みなので、2次感覚と言えます。
2度鎮痛剤を服用した状態で、また痛みを感じたから鎮痛剤を服用する、ここで感じる痛みの感覚は3次感覚になる訳です。
このように、4次感覚、5次感覚、6次感覚。。。と続いていきます。
そこで考えてみて頂きたいのは、1次感覚の痛みと6次感覚の痛みは同じものなのか?という事。
そして、イメージしてみて頂きたいのは、1次感覚の痛みと6次感覚の痛みでは、どの程度回復に差が出てくるか?という事。
例にすると、誰でもその差に気付く事が出来ると思いますが、実際はどうでしょうか。
私たちの身体には、生命維持を目的とした防御反応があり、生命活動に支障をきたす感覚を麻痺させる機能が備わっています。
分かりやすいところで言うと、捻挫などの強い衝撃があった場合、直後にはさほど痛みを感じないものの、時間が経つごとに痛みが増してきたという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
肉体よりもメンタルになるとより複雑で、強いショックを受ける状況下では、頭が真っ白になって思考や感覚を遮断したり、場合によってはその感情を封印するように、一時的に忘れさせるようにしたりします。
その場合、感情的には麻痺(忘れている)しているので直接的には感じないものの、感情と肉体は連動しているので、何故だか胸が苦しくなったり、胃が痛くなったり、肉体的・感情的な不調として現れてきたりします。
一般的には、そういうプロセスが何重にも重なっており、2次以降(10次以降も珍しくない)の感覚を感じているのが通常です。
そして、例えば6次感覚に対処したとすると、今度は麻痺していた5次感覚が浮上してきて、その5次感覚に対処したら4次感覚が浮上してくる、というプロセスを辿るもの。
『いくら対処しても全然良くならない』『問題を対処したのに新しい問題が起こった』と嘆く人もいますが、それは上記のプロセスである場合が多いと言えます。
何故そういうプロセスになるのか、それは複次感覚を一度に感じてしまったら耐えられない、身が持たない、生命を維持できない(絶望する)可能性があるからです。
なので、一つひとつ(マイナス)対処していきながら、まずはクリア(ゼロ)になる事が重要であり、1次感覚であれば回復も早いと言えます。
そして、クリア(ゼロ)の状態になったなら、喜び(プラス)から創造するプロセスに入っていきます。
クリア(ゼロ)に至る過程において、あるいは喜び(プラス)から創造する過程において、人によって例外がありますので、それは次回以降に解説していきます。